NPO法人FUKUSHIMAいのちの水

原発事故現場からの報告

2013年6月22日のセミナーからの報告

名嘉幸照氏

6月22日(土)、水の配給場の二階で、放射能災害について考えるセミナーを行いました。
講師は名嘉幸照氏。福島原発を作り、管理し、事故対応をした技術者です。今も、東電の関連会社として、事故の終息に尽力しておられる方です。私達は本当の事を知りたいと思って、名嘉氏においで願ったのです。その時のお話しの概略をお知らせします。
 
まず、大きな問題点は二つあります。
一つは、現在の原発の状況です。
原発は、現在も崩壊熱が発生している状況です。2011年12月16日、冷温停止の宣言がされましたが、現在はその状況にはなっていないということです。氏によれば、冷温停止の状態とは、冷却システムが稼動している状態のことを言うのであって、現在のような仮設の冷却システムでは、そのように言うことは出来ないということです。現に、崩壊熱が出、放射性物質(1000Bq/h)が周囲に拡散している状況だそうです。(2013.3.1福島民報)冷温停止のシステムは、海水等のシステムが稼動し、安定的冷却システムが構築されて始めて停止状態と言えるとのこと。福島第一原発は、アメリカの内陸型の設計になっており、津波の危険のある福島に、それを作ったこと事態、今日の事故を包含していたと考えられるとのこと。

真剣に耳を傾ける参加者

更に深刻なことは、4号機の使用済み燃料プールが、原子炉建屋の中に、宙つりの状態になっている。再度、強い地震が起こったならば、燃料棒が地面に落下露出し、冷却が困難な状況になり、2011年のメルトダウン事故よりも大きな放射能被害が起こる可能性がある。4号機のプールの補強、更に、万一メルトダウン事故が再発した時の対応策は、幾つか考えられるが、東電の対応力には限度があり、政府の介入が望ましいとのこと。
 
二つ目は、廃炉へのスケジュールの中で、熟練技術者の被爆による消耗の問題が起こっているということ。現在、福島原発の事故現場では、被爆を覚悟で作業するという犠牲的な作業が行われている。しかしそれでも、一定レベルの累積被爆をすれば、作業が出来なくなる。このままでは、原発に精通した作業員が消耗し、事故を終息させる作業員がいなくなってしまうと言うこと。これらの両方とも、東電のみに任せては危険。政府の早急な介入が必要との見解でした。
 
名嘉氏は、放射能症については専門外とのことで、コメントを避けられたが、現在の原発の放射能汚染の状況が、私達が考えているよりも深刻な状況にあり、汚染拡散が現在も続いているということはわかりました。やはりそうだったかという思いですが、その状況の中で、避難をしている16万人(2012.12)の方々の事を思うと、心が痛みます。
福島の災害はまだ、2011年の災害発生時の渦中にあることを実感しました。(http://news.livedoor.com/article/detail/7081417/

坪井(文責)

今!原発事故現場からの報告

放射能災害は、もう、終わったのでしょうか?

原発からは、放射能は出ていないのでしょうか?
福島原発を作り、管理し、事故対応をした技術者に、真実をお聞きしました。

日時 2013年6月22日(土)午後1:00~3:30

場所 FUKUSHIMAいのちの水 水配給場2階ホール

福島県郡山市方八町2-7-17(下記 地図参照)

参加費 無料

テーマ 福島第一原発事故の現状報告

講師 名嘉幸照氏 東北エンタープライズ会長

名嘉氏

1973年の冬、米ゼネラル・エレクトリック(GE)
から東京電力福島第一原発に派遣され、プラントの設計
や改良、保守・点検に携わってきた。GEを退社した後
も協力会社の経営者としてかかわってきた。プラントの
温度や振動を感じ、メーターなしでも被曝(ひばく)量
が分かるほど愛情をもち、現場には精通してきたつもりだ。それだけに今回の事故は断腸の思いで、大きな責任を感じている。この事故は人災だ。原子力行政に安全チェックの機能がなかったのにくわえ、
プラントを掌握する高度な運転技術の育成も足りなかった。今回も吉田昌郎所長以下、現場は懸命にやったが、緊急時の安全設備を使いこなす技術が十分ではなかった。 原発について日本で賛否が割れている。原子力と共生し、これだけの迷惑をかけた身に原発の是非を語る資格はないが、あえて言えば、なくすほうがいいと思う。安全な国を子孫に残すため、国民に準備ができ次第、原発はゼロにすべきだ。 準備には時間がかかると思ううが、その間に何をするか。・・・・・・
(朝日新聞 2012年10月13日【廃炉技術、世界で生かせる】)

ひとりの子のいのちを救うために

アメリカの原発周辺の乳癌発生のデーターがあります。
それによると、「異常死亡比」(平均的死亡数との比較値)が、突出していることが分かります。
幼児は、成人の5倍の放射能感受性があると言われています。
本当に、このままで、大丈夫なのでしょうか。

私達は、もう一度現状を知りたいと思います。原発事故の現状はどうなっているのか。放射能は、まだ出続けているのか。危険度はどの程度なか。私達の出来る対策はあるのか知りたいのです。
2年の戦いで学んだことは、誰も確かな事を知ってはいないのだということです。しかし、自分の子供の命は、父母が守らなければなりません。論議をしている暇はありません。子供の命を守る具体的な行動が必要です。そのために、正確な情報が必要です。

名嘉幸照さんは、今、原発事故の真中にいる人です。原発の現状をお聞きして、子供の命を守るために、何が出来るかを御一緒に考えましょう。

FUKUSHIMAいのちの水 代表理事 坪井永人

問い合わせ 090-7079-5011(坪井)

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