NPO法人FUKUSHIMAいのちの水

2018年度活動計画

2018年度活動計画

1. 事業目的

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「ひとりの子のいのちを救うために」というキャッチフレーズのもと、
原発事故による放射能災害下にある福島の子供達の命を守ることを事業主幹とし、紛争等による理不尽な環境の中にいる子供の命を守り、
戦争のない21世紀を創り出す支援活動を行ってゆく。

2. 事業地

法人事務所は福島県郡山市安積に置き、同市逢瀬町多田野のサンタハウスを事業活動拠点とし、自然放射能地域である猪苗代湖湖畔に児童保養施設を建設し、広く国内外の児童支援を行う。

3.事業概要

メインコンセプトフレーズ
 「ひとりの子のいのちを救うために」
A)福島の児童支援
余剰生産物の無料配給による児童養育支援
①もったいないからありがとうプロジェクト(M&A)=安全な水食料無料配給
②おばあちゃんと子ども食堂=貧困児童と孤老への給食
母親サロン(座談会&バザー)=養育者の憩いと啓蒙
④カナンプロジェクト=自然放射能地保養所での体内放射能の排出保養

B)中東シリア難民児童支援
福島の子から中東シリアの子達へプロジェクト=子供達による平和への呼掛け
①衣料支援=2016年4月第一次支援2万着、2018年4月第二次支援衣類3万着
②食料支援=2016年4月第一次支援4万食、
③住居支援=2018年支援予定

C)戦争のない21世紀を創るプロジェクト
紛争地児童支援準備  「平和を創りだす者は幸い」聖書    
戦争のない21世紀を創るための積極的活動。     
中東支援を軸に、世界の紛争地での児童支援調査員派遣     
2018年夏、カンボジア、モンゴル支援を予定。

D)FUKUSHIMAいのちの水基金
①会員寄付金=賛助会員寄付金、賛助団体会員寄付金
②もったいないからありがとうM&A寄付金=登録13,000名による購入型寄付金
③クラウドファンドレージング=Webサイト募金
④助成金、補助金=公私団体助成金

4現状認識

A)福島県の被災に対する現状認識
2011年から7年を経て、福島の放射能汚染の現状は、下記の表のごとくである。
これは、福島における放射能汚染(セシウム137)が、2011年当初とほぼ変わらない状況を30年持続してゆくことを示している。

文部科学省 放射線量等分布マップ拡大サイトより
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復興庁の避難者数調査報告(平成29年4月28日)によれば、震災避難者総数109,008人(2017年4月13日現在)に対し、福島県内避難者数32,550人、県外への避難者数36,424人、計68,974人となり、宮城21,313人、岩手14,833人を大きく上回っている。
2017年3月、行政は一部を除く帰還困難区域の解除を決定、避難者の帰還を促進し、強制避難者は帰還か移住の決断を迫られている。しかし、15年9月に解除された楢葉町では、解除から1年以上たっても帰還者は1割程度にとどまる。2017年4月の解除が決まった4町村でも、地域によっては第一原発に近く、解除に向けて自宅に一定期間泊まれる「準備宿泊」の登録者は対象者の5%に満たない。更に、避難区域外の自主避難者は、県外にいる8割近くが4月以降も避難先で生活を継続する意向を示している。

帰還困難の理由は、年1msvを上回るホットスポットの放射線量である。2013年のWHO報告書は、福島県の小児甲状腺がんを含むその他の疾病の多発への懸念を表明した。又、2016年2月の福島県健康調査における中間取りまとめ文中においても、「放射線の影響とは考えにくいと評価する。」としつつ、「但し、放射線の影響の可能性は小さいとはいえ現段階ではまだ完全には否定できず、」という所見を述べている。こうした状況の中で福島県に住む児童の保護者は、被爆による児童の疾病への影響を懸念せざるを得ない。下記の表は、ガン死の発生率の一般的推定値である。いかなる低レベルの被爆でもガン死の発生の可能性が予見されているのが、現在の医学的見地である。(参照 *BEIR-VⅡ報告2005年、閾値は無い *ICRP-2007年勧告、約100msv以下のがん発生率は被ばく量に比例する)

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原発から60km以上離れている市街地(県中通)の除染はおおむね終了した。空中線量は基準値(0.23μsv/hモニタリングポスト値)以下になり、モニタリングポストの撤去(2021.3期限)も決定している。しかし、依然として土壌汚染は郡山 福島の駅近辺でさえ放射能管理区域(40KBq/㎡)の4~10倍(平成26年計測文部科学省)と高く、まして浪江、富岡等では800~2000KBq/㎡と高線量であり、その中に、児童、妊婦を住まわせることへの不安が人々を躊躇させている。そのため帰還者は老年層に集中し、若年層では他所への移住が多くなっているのが実情である。避難生活が長期化する状況下、震災関連死は、総数3,643人(2018/3/10現在)の内、岩手県464人、宮城県926人、福島県2,202人と福島が突出し、福島県が未だに2011.3.11の地震津波放射能災害という三重苦の中に置かれている状況の厳しさが現れている。

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上図は、ジョン・ゴフマン(米医学者1918-2007)によるガン死率である。幼少年死率の圧倒的増加が示されている。又、チェルノブイリで顕著であった心疾患については、2015年全国の国立医学大病院統計による福島県のリュウマ性心疾患が全国平均の3.2倍であった。これが福島の児童の置かれている現状である。

B)シリア中東難民への現状認識

2011年3月以降に起きたシリア内戦により22万人以上が死亡。国連難民高等弁務官事務所によると、人口2200万のうち約半数が難民となり、490万人以上が国外で避難生活を送っている。欧米では数千・数万単位の受け入れが議論されているが、日本では11~14年に難民申請した63人のシリア人のうち、難民と認定されたのは3人のみである。(朝日2015・10)
2015年、私が福島の支援を求めに渡米した際、シリアの婦人達にシリアの子供達の支援を要請された。2015年2月に、トルコの海岸に打ち上げられたアスラン クルディ君(3才)の写真は、ヨーロッパ社会を動かし、日本政府も支援を表明している。帰国後フェースブックで、シリア難民児童支援を訴えたところ、一か月で10万アクセスを数え、数百トンの支援物資が集まるという大きな反響があった。私はこの歴史的状況をこのように認識する。
シリアという遠国の状況に、日本国民が見せた反応は、決して特異なものではない。
朝鮮半島危機の中にいる日本国民が、自分自身の危機の中で、自らの安全保障と、自由と民主主義を守ろうとする行為の現れであると思う。武器によらず、愛によって平和をもたらそうとする、民衆の根源的力である。他者の安全を守ることは、自己の安全を守ることである。シリアの子のいのちを守ることは、福島の子のいのちを守ることに繋がっている。シリアの婦人達の涙が、私にそう告げていた。

C)戦争無き21世紀への現状認識
3.11が示したのは、「国家が戦争への恐れを持つ時少数者は見捨てられる」ということがある。 福島の児童達は、原発という国家利益のために、被爆の危険を甘受させられた。単にエネルギ-政策や温暖化対策のためばかりではなく、核による平和維持という世界の風潮のためであることは明白である。大義の中で沈黙する国家識者の中で、素朴な母親達の心配が子供達を守る力となった。「男達は戦争をおこし、母はそれを止める。」という言葉はここでも真実であった。
いかなる政治論も、歴史解釈も戦争を止めることが出来ないなら、福島での学びに殉じようと思う。ひたすらに水を配り食料を与え続けよう。マザーテレサの言葉に、「愛のために共に働くとき、私達はそこに神を見出すことが出来る。」という言葉がある。私達が子供達を助けるために、どこの国の母親達とも共に働くなら、きっと平和の神を見出すことが出来ると信じる。世界中の富める国の余っていいる食料を、食べられない子供達に渡すことで、平和を創りだしてゆくシステムを立て上げうる、それが私達の平和への認識である。

5.事業施策案

メインプロジェクト FUKUSHIMAいのちの水プロジェクト

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A)福島の子供達の支援(被爆軽減策)
①もったいないからありがとうプロジェクト・M&A 
(フードロス食品活用による安全な水食料無料配給プログラム)

私達の被爆対策として三つを考えている。一つはこれ以上の内部被爆をさせないこと、二つ目は体内放射線量値を下げること、3つ目は保養を促進するためのクールスポット地図の作成。
「もったいないからありがとうユニオン」は、最初の内部被爆回避のプランである。
チェルノブイリでの経験から設定された空中線量0.23μsv/hは、年間1msv/y、生涯被爆量を70msv/yと考えている。現在、福島の空中線量は、国の除染によって、基準値以下に除染されているので、一部のホットスポット問題を除いて、おおむね安全と考えることが出来る。しかし、土壌汚染を見ると、郡山市で180KBq/㎡、福島市で380KBq/㎡と、国の放射能管理区域の40KBq/㎡を大幅に上回っている。(文部科学省、放射能拡大サイトH27) これらの現状分析から、私達は長期間にわたって福島で生活せざるを得ない子供達が、これ以上晩成内部被爆をしないように、出来る限り自然放射能値に近い食べ物を子供達が摂取できるように、ということを重点施策とした。
そのために、当NPOは、震災より7年間、ミネラルウォーターの無料配布を行い、累計5000㌧(1,000万本/500ml・大型トラック500台分2018・4)を達成してきた。災害当初から放射能汚染地域では、まず水が渇望されていたからである。2011 年当初、ミネラルウォーター供給源は、国内外からの緊急援助物資であったが、2013年4月には、ほとんどの支援団体からの提供は無くなった。しかし、依然として水を渇望する人々のために、私達は新たな供給源の開拓に迫られ、2013年4月以降、フードバンクからのロス食品の中のミネラルウォーターへと供給形態を変化させた。他の災害と違い、長期にわたる放射能災害に対処するためには、緊急支援体制から、長期政策的支援体制に事業転換する必要があった。幸い、2011年から2013年にかけての水、食料の配給を行う中で、フードバンクからの提供ルートが構築されており、そのルートからの水の供給を拡大して行くことができた。年廃棄量500万㌧(総食品廃棄量1900万㌧)と言われる可食フードロス食品への転換は、国策とも相まって、水、食品の提供拡大に大きな力となった。
2015年4月、配給所、倉庫を郡山市逢瀬町多田野に移転。倉庫面積200坪、事務所催事場200坪、敷地860坪を確保、在庫量を拡大し、配給量の増加を図った。行政からの備蓄水、備蓄米の提供も実現し、広範囲の支援を得たミネラルウォーターの配給は今後も継続される可能性を持っている。
2016年7月にプレハブ冷凍倉庫(7坪)を建設、冷凍食品の在庫拡大がされ、現在、月500~800人ほどへ、冷凍加工品、ナン、雑穀パン、ベーコン、トンカツ、アイスクリーム等の冷凍食品を配給している。 
現在(2018.4)では、屋内在庫量300トン(冷凍倉庫10トン)、月配給量80トン、受け取り児童数2,000人、登録会員数13,000人となっている。
今後、主食主菜の提供、缶詰、ドライフーズ食品等の提供先を開拓、被災者家庭のエンゲル係数の低下支援を行ってゆく計画である。
事業対象は、福島県内の震災原発事故被災者、児童35万人とその家族とし、併せて、身体障碍者、低所得者等の社会的弱者への支援を行っている。
福島におけるこれらのフードロス食品利用の試みは、世界的動向に沿った働きであり、行政にとってのプロトタイプ事業となると考えている。世界一ロス食品の多い日本であるから、行政の必要と相まって、ロス食品の活用という側面からも、当NPOの存立意義があると考えている。
不幸な出来事ではあったが、放射能災害があったからこそ出来る、「自分達で創る経済特区」を目指し、「奪われた以上の夢を、失った以上の希望を」福島に与えてゆく。
さらに、母親達が福島の放射能下にいる「ひとりの子のいのちを救うために」始めた働きが、「もったいないからありがとう運動」という現実的経済的力となって、緊急支援を必要としているシリア中東の子供達等、紛争地の児童の命を救う活動として発展成長している。

②おばあちゃんと子供食堂
  2017年4月から、公的助成を受けて、子供の貧困と孤老対策として、「おばあちゃんと子ども食堂」(H29年賀郵便助成事業)を開始した。
厚生労働省の調査では、子どもの貧困率は16.3%と過去最悪を記録し、日本の子どもの実に6人に1人が貧困状態になっている。育てる親の低所得や生活困窮が主な原因といわれ、ひとり親世帯の貧困率は58.7%と先進国の中でも最悪な水準となっている。
サンタハウス周辺でも商業施設減少のために、老齢者、児童の日用食品購入に不便が生じ、当然、児童の貧困問題も存在し、相当数の児童が十分な食事を持つことが出来ずにいると考えられる。
サンタハウスでは、月数度の給食をサンタハウスの食堂で行うと共に、業務用のパン焼き機を導入、県内各所でのパンの無料配給を行ってゆく。幸い、従前からサンタハウスでのパン、揚げパン等のサービスボランティアを行ってきたパン製造会社等もあり、ボランティアでのパン配給支援の可能性があるので、随時、県内数か所でのパンの無料配給を行って行くことが出来ると考えている。
配給個所は、県内子供食堂ばかりでなく、近隣に食事の問題を抱えた児童がいることを把握しているM&A会員への給食パン支給を行い、より現実的な貧困児童支援を行ってゆく。衛生管理等の徹底が重要な達成業務です。

母親サロン座談会
以下は、ある母親のインタビューです。

「震災を乗り越えて、生まれてくるお腹の赤ちゃんはきっと逞しく成長しくれるに違いないと思って出産を楽しみにしていました。しかし、里帰り出産のため、実家に帰省した4日後に心停止、死産でした。直後は「無事に産んであげられなくてごめんね」と辛い日々でした。・・・書を読み、原因不明のケースも多いことが分かりましたが、次第に時間が経つにつれ、原発事故と
関連はなかったのか?という思いが強くなっていきました。死産の原因が不明であるが故に放射線との関連を疑ってしまうからです。公的機関からのアンケートには何度も詳細を綴りましたが、ずっと返答はありませんでした。一昨年、一度お電話をいただき、「調査の結果、流産・死産と原発事故との関連性については因果関係はなし」という返答がありました。アンケート結果をまとめたところ、流産・死産が増えたとの数字は出ていないと聞きました。そう聞いても私の心は全く晴れませんでした。それどころかますます不信感が募りました。流産や死産をした母親は精神的ショックも大きく、自分から人に話すことを嫌うし、話す場もない、一方的に送りつけられた記述式のアンケートにどれだけの人が回答したか分からない。それなのに因果関係がないと断言することなどできるのか!と思いました。因果関係を証明することなんてできないことくらい分かっています。ただ感情がついていかないのです。因果関係はなしではなく、不明と言ってほしいのです。誰かが話をきりだすと、実は私も、、、と流産や死産の体験を話して、ともに慰め合ったママが数人います。」(Mさんのインタビューから抜粋)

私達の目指すサロンは、母親達がここでホット一息つくことと、家計が助かることです。
今、福島の母親達の本音は、「もう放射能災害を忘れたい」ということ。あまりにも長い不安へのストレスにより、子供の健康さえ無視しようとする危険が福島を覆おうとしている。しかし、国が滅びても次世代の健康問題は残るということが、チェルノブイリの教訓です。事実から目をそらせることなく、20年、30年をここに過ごす子供達のために、必ず安全と安心を作り上げねばならない。そのためには母親達に正しい情報を与え、自分で判断する自由を支援し、精神的にも、経済的にも強めて、その上で、ホットする場所を提供することがサロンの目的です。
これらの達成のために、サロンは講師や指導者、リーダーを置かず、お母さん同士のおしゃべりの場でとし、同時にバザーを併設して、子育て用品の交換提供の場とすることを中心事業として、情報収集、慰安等の精神的支援、水食料の無料配布、食品、衣料品等の家計支援、イベント開催支援、更に子供食堂の運営協力、ソーシャルワークカウンセリング室の運営協力等のプログラム参加を通して、肯定的前向きな希望を創りだす支援を行ってゆく。
a)ホット一息のためには、ゆったりしたくつろぎの空間、美味しいお茶、ケーキ、花、プランター、音楽、空調等の母親の休める場所創りを行う。
b)情報収集は母親間相互の提供と共に、事務局から放射能情報保養情報等の印刷物提供。
育児用品の交換提供は、バザーでの交換システムを整備。
c)メンバーによる子供食堂の準備、調理、配膳、片づけ等のボランティア支援。
d)不登校、社会性欠如等のソーシャルワーク室の運営支援。
e)オールシーズンクリスマス(春夏秋冬)開催支援。
サロンに参加する母親達には積極的能動的な女性が多く、「もったいないからありがとうユニオン」や、クラウドファンドレージングなどの募金システムの支援者ともなってゆくことを期待している。
サロンでの安心が母親達を励まし、誰も言わなくなってしまった「福島に住みたい。」という言葉を、子供たちが言い交すことが出来るような、実利的な支援を行ってゆきます。

④カナンプロジェクト
 チュエルノブイリの経験から学ぶ、児童の放射能被爆対策での一番の方策は、自然放射能地域に児童を移動させることによって起こる生体内半減期を利用した児童の体内放射線量排出策です。
 2011年に、福島市内から青森に保養旅行をした児童の尿による放射線量測定によると、自然放射能地域に移動して滞在したことにより体内放射能値が低減したと報告されている。これは、セシューム137が自然界においては半減期が30年であるにもかかわらず、児童の身体内では、新陳代謝、汗、尿などで、乳児で9日、小児で23日、成人で90日ほどで半減する生体内半減期によることです。チェルノブイリのゴメス医学大学学長であったバンダジェフスキー博士の研究によれば、50Bq/kg超での疾病発生の危険が報告されていることから見て、福島の場合、自然放射能地域での生体内半減期利用の保養期間を持てば、児童の放射能関連の疾病の危険性は低減すると思われる
 福島県内での自然放射能地域は、会津地方であるが、奥羽山脈を西に超えた郡山市湖南地域が浜通り、中通りの児童居住密集地から最も利便性の高い自然放射能地域であるので、猪苗代湖の湖南に保養キャンプ場を建設することが有効である。幸い、現在、シリアへの仮設住宅支援の計画があり、その事業の一端として、相当数の仮設住宅を湖南に移設する計画である。
*生物学的半減期 出典:http://www.yumenoko.biz/2011/08/post-17.html

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B)中東シリア難民児童支援(難民支援)
福島の子から中東シリアの子達へプロジェクト=子供達による平和への呼掛け
①衣料支援=2016年4月第一次支援2万着 
②食料支援=2016年4月第一次支援4万食、
 シリア難民支援は、G7伊勢志摩サミットでの国際合意にも盛られたごとく、今や、世界的急務となっている。当NPOは2016年4月、シリアに向け、40フィートコンテナ1台(衣類2万着)、20フィートコンテナ2台(4万食)の支援を行った。支援物資の集荷は、今後もWebによる拡散で可能であるが、送料管理費等の用意など、しっかりした事業経営を必要としている。ルートも第一次支援のイラクルートだけではなく、複数のルート作りをしてゆく必要がある。既存のルート(赤十字、ユニセフ等)での支援に様々な不自由さが出ているという情報もあり、自分達の目で確認することの出来るルート設定が必要である。支援先が見える支援計画を示すことから、助成金等での送料支援の可能性も出てくる。いずれにしても、10年から20年の長期支援の活動計画が必要である。
 物資の集荷は、Webでの拡散を継続し、事業資金調達のための支援物資バザーによる一部換金、サンタハウスに隣接する旧Coop店舗での常設のチャリティーバザール(バザー会場)の設営、Webによるファウンドレイジング、更に、定期的にチャリティパーティを開催。寄付者の掘り起こしを行ってゆく。近年、日本の社会の中にも、チャリティ、寄付行為への関心が高まっているので、費用調達の可能性を持っていると考えている。
 また、「福島の子からシリアの子へ」というコンセプトは、理不尽な災害の中で、劣等感を与えられた福島の子供達に、他者への支援をするプライド(自尊意識)を養ってゆくであろう。
市民から市民へという姿勢は、児童のみならず、明日の世界の希望となる要素をもっている。
私達は、21世紀の子供たちに希望を残すためにも、シリア難民支援を、引き続き行ってゆく考えである。

③住居支援=2017年支援予定
 2011年から6年にわたる避難生活は、シリア難民に劣悪な住居環境を強いている。私達は東北大震災の復興によって不要となった仮設住居をシリアにおくることを計画している。すでに県の段階では、使用済み仮設住居の無償払い下げを決定しているので、現地からの受取要請があれば、政府に働きかけて、シリアへの移設事業を行って行きたい。膨大な費用の掛かることであるから、国家プロジェクトとして行ってもらうことが必要である。先の阪神大震災の時に、12,000戸の仮設住宅をトルコに送ったという実績があるので、今回も条件が整えば可能性があると考えている。下記のプロジェクトマップは、衣食住支援の概要である。

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C)21世紀を戦争のない世紀にするプロジェクト
~紛争地難民児童支援事業準備 (目に見える支援)~

紛争地の児童支援のための調査
  私達の願いは、21世紀が戦争の無い世紀になることである。
福島の子供の命を脅かす核による平和という歴史上の病気、又、中東シリアの児童の生命を奪っている内戦という病気、21世紀はこの戦争という社会的病気を治さねばならない。
不戦のための努力ではなく、非戦のための努力を、平和を創る積極的行動を起こしてゆく。
武器による平和維持のアンチテーゼとして、児童の安全保障のための衣食住の提供を紛争者双方に行い、共に児童の命を守ることで共に働くことにより、平和が作られてゆくことを見い出してゆく。
物資の提供にとどまることなく、愛の共働による平和実現を信じ支援を行ってゆく。
まずシリア支援から始め、随時、紛争地の児童安全保障支援を行ってゆきたい。
 現地調査員派遣は、2017年から中東、アジア、北朝鮮への派遣を計画している。


D)FUKUSHIMAいのちの水基金

①会員寄付(賛助会員、団体会員)
a) 賛助会員寄付(寄付型寄付)=年間5,000円の継続寄付。寄付型
2011年の大震災からここまで、年間5,000円の賛助会員寄付をもって一貫して福島の子供達を支援してくれたのが賛助会員である。NPO運営資金の収入計画を立てることの出来る最も重要な資金となっている。
b)団体会員寄付(寄付型寄付)=年間10,000円の継続寄付。寄付型
団体会員は任意の寄付金を持って支援を続けてくれている。多くが年間定期的に多額の寄付をしてくれている。この二者は寄付型の寄付金である。
②もったいないならありがとうM&A寄付金
もったいないからありがとうM&寄付(購入型寄付)=月500円の受取窓口寄付。購入型
M&A会員が、月ごとに水食料を受け取る際に、受取窓口で受取量に応じて任意のワンコイン寄付(概ね500円)をしてくださっている。月の受取児童数が2,000人を超えるので、NPOの最も大きな収入資金となっている。
③クラウドファンドレージング
Webによるファウンドレージング寄付(寄付型、購入型)=レディフォー等Webサイト募金
Webによるファウンドレージング寄付(寄付型、購入型)=レディフォー等Webサイト募金
2011年から、FUKUSHIMAいのちの水基金を立て上げてきたが、災害の風化と共に各種団体の助成も縮小され、NPOを運営することが困難になっている。そこで2017年より、Web上でのファウンドレイジングを推進してきた。2018年4月のシリアへの物資輸送費144万円もWeb上の「レディフォー」というファウンドレイジングサイトでの募金により調達された。今後、事業の拡大に伴い、社会資本調達策として重要であり、今回の経験が今後、独自のクラウドファウンドレイジングの構築に寄与すると考えている。

④助成金補助金=公的事業委託助成金、民間団体助成金
東北大震災復興のための助成金は、現在でも数団体で提供されている。事業内容を放射能災害への復興事業から、フードロス問題への転換を図ることで、助成の幅を広げている。今後、長期間にわたる福島の児童への支援のため、水食料の無料提供を続けるために、事業内容の拡大という形で支援の継続を維持してゆく。
シリア支援、難民問題への進出は、世界の焦眉の問題であるから、今後、助成金制度の整備が進むと考えている。

6.事業管理体制

(1)人員配置
理事長に奥山實(前世界宣教会議議長)、代表理事に坪井永人(世界宣教センター担当牧師)。
坪井(牧師、カウンセラー)は経営全般、サロンについてはカウンセリングを担当、水、食品配給については仕入れ、機材の確保、リフトでの在庫管理。
平栗(専従スタッフ)は会計、総務、HP管理、サロンコーデネーター。
紺野(専従スタッフ)は総務、在庫管理、施設環境管理等をそれぞれ担当する。
シンクタンクには、コーデネーターに富永国比古医師(公衆衛生学博士、サイコセラピスト)を委嘱している。
(2)資金管理
会計担当は、平栗恵美がPC管理(会計王)。状況に応じて会計事務所を使用する。
会計監査は理事会において行い、Web上に公開している。

7. 団体概要

沿革
2011年3月、震災の3日後に、キリスト教会の救援団体として、「緊急支援援助隊アガペーCGN」の福島県支部として活動を開始した。
2011年5月、宮城、岩手の状況と福島の放射能災害の違いを知り、ミネラルウォーターの配給を中心とした福島独自のNPOを設立した。支援の水、運営資金は、主に内外のキリスト教会から送られ、キリスト愛の福音教会から派遣された坪井、平栗、紺野の3名がボランテアで専従し、リフト、トラック等の機材も無償で借り受けて運営された。
2011年12月26日、NPO法人となって独立。一年を過ぎてキリスト教界からの支援は終了したが、2012年からは各種助成金を受け、宗教性を持たないNPO法人としての経営に切り替えてきた。現在まで3800㌧、(760万本/500ml・2016/5 大型トラック380台分)の配給をしてきた。
活動は、2011年からの「ひとりの子の命を守るために」、2014年からの、「もったいなからありがとうユニオン」「奪われた以上の夢を、失った以上の希望を」というキャッチコピーの如く、実際的に福島の子供達の命を守ることである。
2015年4月、860坪の敷地、400坪の建物を予約売買。
2016年4月 シリア難民第一次支援 衣料2万着、食料4万食
2016年6月、冷凍倉庫7坪建設。冷凍食品の無料配給開始。
2017年6月 おばあちゃんと子ども食堂開始。
2017年6月 21世紀を戦争の無い世紀にするプロジェクト発足

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